PROJECT #03
100年の歴史をつないできた、 時代を先取りする信念 100年の歴史をつないできた、 時代を先取りする信念


100年の歴史をつないできた、 時代を先取りする信念 100年の歴史をつないできた、 時代を先取りする信念
2020年4月、社長の号令のもと全社を巻き込んだSDGs推進プロジェクトが動きはじめた。プロジェクトは形を変えながら継続されており、現在は推進役の3名のコアメンバーに加えて、13ある各営業チームの担当メンバーで構成されている。ヨーロッパを中心に進むサステナビリティトレンドで後手に回る日本において、サステナビリティに積極的に取り組むことへ懐疑的な空気さえ流れている中、彼らはパリ協定が求める水準の温室効果ガス削減に本格的に取り組むために、国際認証であるSBT認定※を取得することを決意した。
※SBT認定基準=2030年までに温室効果ガス排出量をスコープ1(直接排出)・スコープ2(間接排出)で42%、スコープ3(サプライチェーン排出)で25%の削減を目指すこと
クリーンテクノロジーチームJ.R.
2020年キャリア採用。半導体や電子部品といったエレクトロニクス業界向けの商材を扱うチームで営業を担当。タイ、マレーシア、オランダなどからの仕入れと国内外への販売を担う。
機能アパレルチームT.A.
2002年入社。食品工場向けの海外製手袋やマスクなどを輸入・販売するチームに配属。2013年より、ベトナムのグループ会社で制作する企業向けの作業着やユニフォームを輸入・販売するチームで営業を担当。
機械チームT.S.
2023年入社。機械チームに配属。洋上風力発電の資材を技術営業としてヨーロッパなどから輸入し、国内の取引先への販売を担当。また、環境をキーワードにチーム内でも商品開発を担う。
※所属チームは2026年当時のものです。
温室効果ガス排出削減目標(SBT)は、それを掲げるだけでなく、具体的な計画に落とし込み、計画の認証を受けることで初めて投資家や顧客の信頼を高め、企業の評価向上につながる。担当する日常の業務と並行しながら、知識も経験もほとんどないサステナビリティについてイチから学び、目標に向けた計画を策定する長い道のりがはじまった。
まずはじめに、プロジェクトメンバー全員で勉強会をしました。コンサルティング会社に支援してもらって、サステナビリティに関する知識を強化していこうということで。その勉強会が終わるまで1〜2年かかりましたね。その後、次に何をやろうかとなった時に、自社が排出している温室効果ガスを計算するために、各チームが取り扱う製品のCO₂排出量を把握しようという話になりました。
製品自体のCO₂排出量を原材料から製造、流通に至るまですべての段階で算出する、ライフサイクルアセスメントの計算ですね。会社として一つの製品のCO₂排出量を算出して事例を作るところからスタートしようという考えに基づいたものでした。でも実施が決まったら、自社が運営する工場ではなく、長年の取引先である東南アジアの手袋を作る工場で算出することになり、私が派遣されることに。一生懸命いろんな人に内容を説明して現地の人と一緒に工場の中からゴミ置き場まで歩き回りました。手袋一つにしても原材料は10種類以上あって、どのくらいの量をどこから仕入れているのかを一つひとつ調べ、データを集めていくのは骨の折れる作業でしたよ。集めたデータを、相談しながら計算してやっとの思いで一つの事例ができて、他のチームにレクチャーしていきました。
私は大学で環境にやさしいプラスチックの研究をしていたので、その経験を買われて新入社員ながら、プロジェクトの途中からメンバーに選出されました。私たちの世代はSDGsについて教育を受けて育ったので、このプロジェクトには関心がありました。でも自分が描いていたものが、いかに机上の空論だったかを痛感しましたね。実際に関わってみると、こんなに地道で大変な作業なのかと思いました。
プロジェクトを推進するうちに、すでに積極的にサステナビリティに取り組んでいる企業との交流も生まれた。その中で、日本でもいずれビジネスと環境問題を結びつけて考えることが主流になるという実感が湧いてくる。取り組みはじめて1年、2年と経験を重ねていくうちに、サステナビリティを推進する当事者としての意識が芽生えはじめていた。
今まで営業だけやっていたので、専門性という意味で、深く追求すればするほど自分の武器にもなり、やりがいと自信が生まれました。温室効果ガスの排出量を算出できる営業はなかなかいません。それと、プロジェクトを通じて会社全体を見渡す機会が増えたことで視野が広がりましたし、会社の代表としてサステナビリティ活動を対外的に発信することもいい経験になりましたね。それに、サステナビリティの専門性が身についたことで社内からの相談も増えました。ビジネスを考えている時に、何となくではなくて、自分の意見を根拠立てて言えるようになりました。
社内外で具体的な活動もはじまりましたよね。ケミカルリサイクルといって、使い終わった自社のユニフォームを一度繊維に戻して、そのリサイクル繊維でもう一度ユニフォームを作ったり、裁断してそのままウェスのような掃除用具としてリユースしたりしています。他にも繊維を破砕して自動車の内装材にするといった取り組みは以前から少しずつ実施していましたが、ようやくビジネスと結びつきはじめています。
多くの企業は総務にサステナビリティの部署があって、社内の他の部署が行っている数字をまとめる役割を担っています。一方で原田産業の強みは、営業チームが自ら温室効果ガスの排出量を現場で算出できて、ケミカルリサイクルのような新しいビジネスをつくりながら温室効果ガスの削減もセットで実行できることです。
最近になって、取引先からも「環境系の認証や資格を取得していますか」といった問い合わせが増えてきましたが、それに対して私たちが認証を持っていることを伝えられるのはうれしいですね。最近は、SBT認定がないと取引しない企業も現れるようになりました。
原田産業の営業13チームがすべて温室効果ガスの排出量を算出できる状態にまで、サステナビリティ推進プロジェクトは浸透した。自ら商品を製造することが少ない商社が、そこまで力を入れているのは珍しく、ウェビナーの開催告知をすれば、想定を上回る2週間で100件近くの申し込みがあるほどになった。その意義を、コアメンバーの3名は異なる視点で見つめる。
商社として基礎となる仕事は、営業して目の前の大きな仕事を受注することです。そこに魅力を感じていることに変わりはありません。ただ、中長期のビジネスを続けていく上で大切なのは、受注して終わりではなく、お客さまや社会がどのように良くなったかを見極めることです。原田産業は100年以上の歴史があって、ずっと黒字経営です。それは、目の前の一つの受注だけではなくて、その先にある社会貢献や地球環境への貢献があってこそ実現しているのです。そういう中長期的視点を今回のプロジェクトを通じて持てるようになりましたね。原田産業に入社すれば、営業だけじゃなくサステナビリティにも関われますし、地球環境や社会へ貢献する意義もしっかり理解できると思います。
私はこのプロジェクトを通じて、一人の商社パーソンとして専門領域だけでなく、物事を見る視野そのものが広がりました。キャリアの早い段階で自社のCO₂排出量算定という実務に携わったことで、環境問題が一部門の取り組みではなく、全社的に、さらには事業やサプライチェーン全体に関わるテーマであることを実感しました。総合商社として多様な産業と向き合う原田産業が、削減を推進する立場にあると認識できたのは、大きな発見でした。また、所属チームを超えてさまざまな関係者と協働する中で、立場や考えの異なる人々を巻き込みながらプロジェクトを進める難しさと大切さを学びました。この経験から、プロジェクト推進には専門性に加えて対話と信頼の積み重ねが不可欠であると改めて感じています。
昔から「商社は人なり」といわれていて、商社パーソンはモノを売るよりも、自分で考えて動いていく探究心が必要です。原田産業のような中堅規模の会社に入ると、このプロジェクトのように1から10まで全て自分でできて、仕事の風上から風下まで見たり、知ったりできるメリットがあります。探究心が強い学生さんは私たちから見ても魅力的ですし、そういう人が入社してくれれば私たちも突き動かされて、一つの仕事の輪がどんどん大きくなるイメージが湧きます。もちろん探究心だけでは失敗することもあるでしょうけれど、まずはやってみようとする気持ちを持っていることが大切ですね。


T.A.
J.R.
T.S.


